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天使のピアノ

theangelspiano

takinogawa.09天 使 の ピ ア ノ
 この写真は、本館に所蔵されていた、学園創立者石井亮一の夫人、筆子が愛用したピアノです。1885年3月製造ですが、戦前は筆子がこのピアノでクリスマス祝会などに作詞作曲した曲が披露されたと伝わっています。やがて、戦後何十年もボロボロになって眠っていた所を、学園史研究会のメンバー(上原公子氏他)によって1995年発見注目され、溝口武俊教授(武蔵野音楽大学)の仲介協力によって、1997年、日本で現存する最古のアップライトピアノと鑑定(日本ピアノ調律師協会会長宇都宮謙三氏)されました。これを受け、学園史と音楽を愛する市民(生島繁氏他)と日本ピアノ調律師協会(小野哲氏他)が献身的に2ヵ年の努力を傾け、見事に修理復元されました。

 現在まで、この5年間、毎月園内聖三一礼拝堂のチャペルコンサートに使用されてきたほか、都内各地(紀尾井ホール他)で演奏(青柳いずみこ・藤井一興氏他)の用に供され、鹿鳴館時代の、えも言われぬ妙音をクラシック演奏とともに皆様にお届けしています。そしてついに、2003年春、国立市の登録有形文化財(歴史資料)に指定されました。美智子皇后陛下には、二度も、行啓鑑賞を賜りました。ちなみに、国産ピアノ第1号製造は1897(明治30)年です。  
 命名≪天使のピアノ≫の由来は、鍵盤上の板に、二人の幼児を抱いた西洋文化起源の天使の絵が芸術的に嵌(は)めこまれているところにあり、石井亮一の甥である石井克己氏からの言い伝えです(学園史研究会聞き取り)。知的障害をもつ子らを神が愛しておられることを信じる筆子の祈りの象徴のようにもとれます。
 
学園で生活した多くの子供たちを慰めたこのピアノの音色は、一度は絶えましたが、いま不死鳥のようによみがえりました。やがて修復予定の本館講堂で或いはチャペルで、今後も毎週のように演奏され、19世紀、20世紀、21世紀へと3世紀にわたり消えることなく響き渡り、愛の調べとなって、多くの人々を共生生活へと誘うことでしょう。

本館(仮称「石井亮一・筆子記念館」)修復募金事業へのご支援、かさねてお願い申し上げます。

今後の演奏予定にご注目くだされば幸いです。特にご希望の方は、チャペルで音色を鑑賞することが出来ます。
    
※ 注.石井克己氏は、創立者の甥。学園本館保存修復募金事業発起人のお一人で、現日本知的障害者福祉協会(旧愛護協会)設立時の学園幹事。石井亮一古稀記念文庫開設担当者です。


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